「メディアアート分野」解説

概要

しばしば非永続的で一回性の強い芸術作品についての情報を扱う「メディアアート分野」では,戦後日本メディアアートの歴史をデータベースの「検索結果」として表現するためのメタデータ・スキーマ策定を行いました。
メディアアートの作品群を,それらが社会に問われた契機である「催事event」の構成要素として位置づけ,2016年2月現在,約10,000件の「基本情報」と約60,000件の「詳細情報」のレコードがこのデータベースに登録されています。

このデータベースには,会場毎のすべての「催事」の情報と,個々の「催事」を構成するすべての「作品」の情報,さらに「作者」以外にもメディアアートの「催事」「作品」に関与したすべての人的要素とその役割についての情報などが登録されています。
すでにミュージアム等のコレクションとして保存・維持されている作品のほかに,催事毎に姿を変えていった作品,所在の分からない作品,すでに失われてしまった作品,再制作された作品などの情報もまた,個々の「催事」の構成要素として網羅的に登録されます。

「検索結果」は年代順(クロノロジカル)に表示されます。
「検索結果」として構築・一覧化されるレコードの「層」のなかに,作品の来歴,隣接関係,関連文献情報,コレクション情報,アーカイブ資料の所在情報などの座標を確かめることができます。検索語が複数の「催事」のレコードに点在する様子を総覧することも,一つの催事の「詳細情報」をすべて表示することもできます。表示されている値を部分的にクリックし再検索を行うことで,一覧化したい情報のセットを即座に変更できます。

データベース上のリソースの典拠(ソース)となる「催事印刷物」「関連文献」「アーカイブ資料」もまたレコードとして適宜登録されており,書誌検索にもご利用いただけます。
メディアアートの作品には記録写真や記録音源,記録映像のなかに間接的にその姿を残している事例も多いため,新聞・雑誌記事などにおける記録写真の有無もマークしています。

催事の「基本情報」「詳細情報」を構成するレコードの各ノード

A階層の各ノード(情報のパラダイム)に登録される属性値が,催事の「基本情報」を構成しています。

A階層の各ノード

A階層の末端ノード(A6)の値から分岐するB・C階層の各ノードの属性値が,催事の「詳細情報」を構成しています。

A階層の末端ノード

※補足
データは,催事の「基本情報」に「詳細情報」が紐づく形で構成されています。便宜上「基本情報」をA階層,「詳細情報」の作品に関する情報をB階層,人的要素に関する情報をC階層と呼称しています。

補足

「サブイベント」について

ノードB4の属性値として位置付けれらる「サブイベント」は,催事の「詳細情報」における以下の5系統に振り分けられています。

詳細情報の系統1 催事の内容(事前情報)event components (prior)
系統2 催事の内容(事後情報)event components (posterior)
系統3 催事印刷物 event-based printed matter ※事前情報のソース
系統4 文献情報 bibliographical data ※事後情報のソース
系統5 アーカイブ資料情報 archival materials

各ノードにおける属性値の分節化

属性値はノード毎に以下のように分節化されています。

相対番号 各ノードにおけるレコードの相対値
類型の定義 現状,各ノードに割り振られた基準値を適宜( )で補足
名称 ソースから採取される値(日本語表記/アルファベット表記)
類型的な表記 ソースから採取される類型概念(日本語表記/アルファベット表記)

各種ソースに記載のある情報を,そのままの表記で登録しています。
「類型の定義」以外のリソースは,すべてが特定のソース(典拠)と対応しています。可能な場合のみ「類型の定義」とは別に,類型的な表現であると判断できる表記をソースから別途採取しています(能動的な類型記述と受動的な類型記述の弁別)。

各ノードの分節化(補足)

●A階層の分節化

A階層の分節化

●B・C階層の分節化

B・C階層の分節化

レイアウト・サンプル(見方)

以下の図はデータベースの「検索結果」の一部を切り出したレイアウト・サンプルです。
例えばこの図のように特定の「催事のシリーズ」に属する情報が一覧化された後,「会場」「作品」「人的要素」などの値をクリックすることで再検索が行われ,情報のオーダーを再び構築し直すことができます。

レイアウト・サンプル画像(クリックすると別ウィンドウが開きます)

凡例

●属性値

属性値 意味
*(asterisk) 属性値ナシ。今後もそのセルに入力する属性値がない場合に使用。
空白 現作業中(未入力)。属性値の入力が可能な特定のセルを,手続き上(作業効率上)しばらく放置する場合。
[et al.] 「○○○○○ほか」など,典拠の表記に未詳事項の複数性が示唆されており,その項目(その行)が複数化しうる場合に使用。
[unknown] 未詳。典拠から得られる情報が不十分で,特定のセルに然るべき属性値を入力できない場合に使用。

●属性分節 ".1"「類型定義」の基準値

属性分節 基準値(画面上での表記) 基準値(実際の値)
A階層 A4.1 催事シリーズの類型 ser. series
A5.1 催事グループの類型 eventgrp. event group
A6.1 催事の類型 event event
B階層 B4.1 「サブイベント」の類型 subev. subevent
B5.1 作品グループの類型 workgrp. work group
B6.1 作品の類型 work work
C階層 C5.1 人的要素グループの類型 agentgrp. agent group
C6.1 人的要素の類型 agent agent
© Agency for Cultural Affairs.